あーる工房社内報冒頭文156号

 皆さんお元気ですか。残暑が厳しいですが、夏バテにならないようお気をつけ下さい。今回はある日の私の日記より抜粋です。残暑厳しいある日のことです。            鬼頭

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郡上白鳥にある「川子屋」という川魚料理のお店に行った。羽島から東海北陸道をひた走って、一時間とちょっと。 ただのレストランではないのだよ。長良川の河原に、仮小屋のような風情で建っている。 70代のおじいちゃんとおばあちゃんが、長年やっている。知る人ぞ知る。郡上の鮎を釣りに来る釣り人には特に有名だ。釣れたらここに売りに来る。もちろん天然鮎しか扱わない。水の流れる水槽に放つ。お客さんが来ると、タモですくって、炭火で焼く。 


 鮎の刺身  初めて食べた。全く生臭くない。さわやかな香り。おばあちゃんが席まで来て、天然のわさびをおろしくれる。おろしながら、人懐っこい、ぼそぼそとした話しぶりでいろいろな話をしてくれる。その朴訥ぶりがまたいいんだ。今日天然鮎を20匹も買いに来た人の話。わさびを美味しくおろすこつ。などなど。いなくなったなあと思ったら、いつの間にかやってきて、隣に座ってぼそぼそ話している。ちょっとかわいい。


刺身のツマの大根、大葉など全て裏の畑でとれたもの。大葉ももちろん畑で自生している。香りが濃い。美味しくて全部食べた。


塩焼き  絶品。はらわたもうまい。しゃぶるように食べる。あまりの旨さにもう一匹追加。 鮎はどう食べても美味しいけれど、炭火で焼いた塩焼きが王道だね。 


魚田  素焼きにして、おばあちゃんの手作り味噌をぬって食べる。これまたうまい。


鮎雑炊 これがまたまたうまい。ちっとも生臭くない。こんがり焼いた鮎が香ばしい。だしがうまい。米がうまい。米は裏の田んぼでとれた自家製。 

 

焼きなす 鮎が出るまでの間に、ビールのつまみで出してくれた。一見素焼き。お醤油をかけるのかなと聞いたら、もうおばあちゃん自家製のたまりがかけてあるという。食べてみる。びっくり。たまり醤油の味がやさしく、風味豊か。

トマト きゅうり これも裏の畑でとれたもの。自家製味噌をつけて食べる。おばあちゃんが言う。お酒以外は、全部買わんでもいい。うちにある。まあ、鮎はみんな持ってきてくれるから買うけど。裏の畑を散策した。トマトもきゅうりも、畑で熟して、もぎたてを沢から引いた水で冷やして、分厚く切って、そのまま供される。うまいはずだ。 

 

いつまでもいたい。田舎の縁側、実家に帰ったようだとち◯さん。至福の時だったよ。一切のこざかしさのない、自然体のお店。こんなお店の在りようもあるのだと、しみじみ感じさせてもらった。